2010.06.10 01:05 更新
名物に美味いものあり⑨/球磨鮎の背ごし(人吉市・熊本県)
急流で名高い熊本県の球磨川は、"鮎の川"としても有名だ。鮎は秋になると河口に下って産卵、1年の短い一生を終える。孵化した稚魚は翌年の春に遡上を始めるが、かつては川が子鮎で黒くなるほどの壮観だったという。
現在の球磨川はダムが立ちはだかり、子鮎が上ることができない。そのため子鮎の群れを一網打尽にしてトラックに載せ、上流で放すという手の込んだ方法が採られている。天然物として珍重される球磨鮎だが、人間の手助け無くして存在し得ないのは、開発が生んだ皮肉な一面である。
球磨川と支流の川辺川では、毎年6月になると鮎釣りが解禁され、地元の漁師や全国から集まる釣り師でにぎわう。町の料理屋や旅館にも鮎料理がお目見えし、旬の味を楽しむことが出来る。
鮎といえば塩焼きが定番だが、解禁初期の若鮎は"背ごし"でいただくのも美味しい。まだ小ぶりなので骨が柔らかく、初夏ならではの食べ方だ。
写真は、前回紹介した郷土料理「四季」で食した川辺川鮎の背ごし。球磨焼酎との相性が実に良く、盃が進む。残った尾と切れ端はから揚げで出されたが、これも絶品だった。時あたかも6月。今年も、球磨への旅情が筆者の心をしきりにくすぐる。
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(写真上)人吉・球磨の料理店では、初夏になると待望の鮎が供される。背ごしは若鮎の美味しい食べ方の一つ。残った身は、から揚げでいただくと最高だ
(写真下)球磨川で鮎を狙う釣り人たち。毎年6~10月が解禁期で、全国各地から集まる釣り師が腕を競う