2010.05.23 00:06 更新
球磨川に響く汽笛/SL「人吉」(肥薩線・熊本県)
「ピキィィィィィーーッ」――急流・球磨川を挟む峡谷に、甲高い汽笛が響きわたる。見物の人々が手を振る中、トコトコ駆けてゆく小柄な蒸気機関車。SL「人吉」の道中は、すこぶるのどかで温かみがある。
かつては「SLあそBOY」の名で阿蘇方面を走っていたが、機関車の故障と修理を機に、2009年の春からコースを変更。肥薩線を通って、熊本~人吉間で再デビューした。このルートが選ばれたのは、もともと機関車が人吉市で保存されていたのと、急勾配が無く負担が少ないためである。
「あそBOY」時代は、西部劇を思わせるウエスタン風の演出だったが、「人吉」に代わってからは、以前の木目調を引き継ぎながらも、落ち着きと高級感を漂わせる調度となっている。SLの物珍しさはもちろんだが、客車の魅力が人気を呼んでいることも間違いない。
「人吉」号は3月から11月のほぼ毎週末、球磨川沿いの肥薩線を快走する。魅力あふれる山里・球磨への旅は、レトロチックな蒸気機関車がお勧めだ。
yu
(写真上)熊本駅を発車するSL「人吉」。車内は非常に明るく、遊び心にあふれている。ビュッフェコーナーでは軽食やグッズもいっぱい
(写真下) 一番の見所は、やはり球磨川だ。ダムの影響で急流の面影はやや薄れてしまったが、山峡の名川はやはり見ごたえがある。ホームの駅弁売りや記念撮影を楽しむ乗客、スタッフの笑顔も、SLの道中に華をそえる。運転席を預かる機関士たちも、忘れてはならない主役