2009.10.10 11:24 更新
落人里の絶叫スポット/祖谷のかずら橋 (徳島県)
"かずら橋"とは、シラクチカズラ(サルナシ)のつるで編んだ原始的な橋。現在はほとんど姿を消したが、徳島県の最奥・西祖谷山村(現・三好市)には古来の姿をとどめる橋が残り、国の有形民俗文化財に指定されている。
橋の起こりは、弘法大師空海が山民の便宜のために架けさせたとも、この地に逃れた平家の落人が非常時に切り落とせるようかずらを編んだ橋にしたともいわれ、定かではない。大正時代に一度、ワイヤーを用いた近代的な橋に替えられたのだが、観光の目玉にするべく、すぐに元の姿に戻された。今では四国有数の観光名所であり、先人の慧眼には頭が下がる。
橋は一人500円(子供は400円)を支払えば、片道1回だけ渡ることができる。少し馬鹿馬鹿しい気もするが、ひとたび足を踏み入れたが最後。橋板の隙間からは谷底の急流が丸見えで、とてもまともに歩けたものではない。太いつるの壁にしがみつき、こわごわ一歩を拾いながらの渡橋は、下手な絶叫マシンよりもスリリングだ。
「怖かった~!」「もう嫌!」――橋の向こうでは、安堵と恐怖の声が飛び交う。"たかが吊り橋"と侮った己を恥じつつ、忘れがたい思い出に心が洗われた。
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(写真上)夏の緑に映えるかずら橋。足元を確かめつつ、こわごわ渡る観光客の列が続く
(写真下)足元はこの通り! はるか下を急流が走り、迫力満点だ。