2009.10.23 15:39 更新
大瀑布、天より来たる/称名の滝(富山県)
富山県の奥地・立山連峰の麓にある「称名の滝」は、高さ日本一を誇る名瀑。4段から成る落差は350㍍もある。国の名勝・天然記念物に指定され、わが国屈指の絶景の一つである。
称名の滝を訪れたのは9月の初めだった。富山平野はまぶしいほどの青空だが、アルペンルートを望む立山は、今にも泣き出しそうな曇天である。滝へ向かう路線バスの車窓も、みるみる霧にかすんでいく。「こりゃ、駄目かもわからんね」――私を見送るドライバーさんの声も沈みがちだ。
バス停から滝までは1㌔以上。夕刻が迫る中、旅の疲れも忘れ大股で急ぐ。山の頂を覆う白いベールが恨めしい。遠方に、展望台らしきものがかすかに見えてくる。「間に合うか...」――
長い坂道が終わり、川に架かる橋を渡った。不意にとどろく水音に顔を向けると、目の前に巨大な滝がそびえ立つ。「良かった!」――顔がほころぶのが自分でも分かった。はるかな天から注ぐ、一条の白い流れ。彼方から届く水しぶきが、火照った頬に心地いい。天下一の眺めに息を呑みながら、夢中で携帯のシャッターを切り続けた。
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(写真上) 高さ日本一を誇る称名の滝。流れ落ちる水量は毎秒2㌧、増水時は100㌧以上にもなる。滝つぼから巻き上がる水煙は、遠く離れた展望台にも降り注ぐ。
(写真下) 標高の高い山奥は、天候も変わりやすい。滝に通じる遊歩道も、帰りは深い霧に包まれていた